STORY 02
飲食事業
築40年以上の喫茶店が、
社員食堂に変わるまで。
お腹と心を満たす社員食堂
会社にとってパワーの源になる
2020年に始まった「社員食堂」そのきっかけは、
代表の杉本が営業だった時代にいだいた、ある希望からだった。
杉本 武司
パワー・ステーション / 代表取締役
もともと社員食堂に強い憧れを抱いていた杉本。何気ない不動産の相談から社員食堂を実現させるチャンスを掴む。
ホンマ ユキ
営んでいたカフェがコロナの影響で営業停止に。身動きが取りにくいなか、杉本からの電話で状況が変わりはじめる。
「社食って、いいよなぁ…」
営業時代からの憧れだった。
今から30年以上前。のちにパワー・ステーションを立ち上げることになる杉本は、不動産会社の営業として汗を流していた。不規則な生活習慣で、軽食や外食が続く日々。食事のバランスや健康を気にする時間はなかった。「会社においしい食堂があればな…」社食に対する想いは、そのころから小さく芽生えていた。
コロナ禍に突然かかってきた電話。
「ホンマさん、社員食堂やるぞ!」
2020年。新型コロナウイルスが、世間をさわがせていた。飲食店の営業停止。北海道で小さなカフェを経営していたホンマも、その影響を受けていた。「これからどうしようかな」そんな時、電話が鳴った。カフェの常連客だった杉本からだった。「ホンマさん、社員食堂やるぞ!」威勢のいい声がホンマの耳元で鳴り響いた。
札幌駅前のテナント募集。
なにげない相談からひらめいた。
その電話の数日前。パワー・ステーションに問い合わせが入った。本社の隣にあるビル1階。喫茶店の閉店にともなうテナント募集の相談だった。社員が応対するとなりで、杉本は考えていた。駅前で人通りが多い立地。事務所や美容室ですぐに埋まるだろう。だが、あのころの記憶がふと沸いてきた。社員食堂。行きつけだったホンマの料理が浮かんだ。
築40年以上。昔ながらの喫茶店。
古い設備だったがワクワクした。
先行きが不透明だったホンマは、誘いを断る理由がなかった。後日、杉本と喫茶店の跡地へむかった。築40年。厨房には家庭用のガスコンロ2つとオーブン。社員食堂をやるにはあまりに物足りない。それにも関わらず、杉本とホンマは顔を見合わせて笑った。不安よりも、ここからはじまる新しいことへのワクワク感が強かった。
不動産管理の知見で
社員食堂へ生まれ変わらせる。
厨房の設備投資はもちろん、杉本は内装にもこだわった。毎日行きたくなるカフェみたいな食堂。社内でチームをつくり、不動産管理で培ったリノベの知見を活かすことにした。デザインや家具選びはお手のもの。通常業務の合間をぬって、若手社員がアイデアを出し合った。ぼんやりとしていた社員食堂の輪郭が、浮かび上がっていった。
飽きのこないメニュー開発。
社員食堂ならではの課題。
一方、ホンマは社員食堂の肝となるメニュー開発に取り組んでいた。目指すのは、お家で食べるようなご飯。でも、外食した気分になれるご飯。鶏や魚に小鉢を添えた和食。パスタと冷製スープの本格イタリアン。つけ麺や天丼、ハンバーガーなど幅広いジャンルの料理を考案した。みんなを驚かせたい。そんな想いが高まっていた。
いざ、社員食堂オープン。
社員の姿を見て成功を確信した。
3ヶ月の準備を経て、社員食堂はオープンした。その外観は、前を通る人が新しいカフェだと勘違いして入ってくるほどだった。ホンマの料理も大盛況だった。食堂によろこびの声が響き渡る。厨房にはレシピを教えて欲しいとせがむ社員が集まった。杉本はその姿を眺めながら、かつての自分と重ね合わせた。理想を超えた社員食堂の完成だった。
社員の定着率が低い不動産業界。
社員食堂がそれを変えると思う。
人材の出入りが激しいと言われている不動産業界。そんな業界において、社員食堂を用意することは、新卒社員の定着率を高める大きなきっかけになる。現在は社員を対象にランチのみ提供しているが、今後は一般向けに間口を広げたり、料理教室を開催するなどの取り組みも検討している。新たな展開の予感に、杉本もホンマも胸を高鳴らせている。
いい物件との
出会いがある
不動産事業を主軸にしているからこそ、
好条件な立地での
ビジネスチャンスを掴みやすい。
不動産の経験を
活かしたデザイン
店舗で商売をする上で
欠かせないのが内装デザイン。
不動産管理での知見が大いに役立つ。
優秀な人材を
活かしきる
社員食堂に限らず、
人材の持つ個性を引き出しながら
新しい事業を展開していくのが特徴的。